北京オリンピック開幕

  もともと筋肉系ニガテなので、スポーツ観戦にはあまり興味ない。しかも、この暑さの中、テレビをつけると、興奮した解説者の声と、ものすごい会場の熱気と声援が噴出してきて、ますます熱くなる。ですが、さすがに、8日夜の開会式の模様は、ピッタリとテレビに張りついて最初から最後までしっかり見ました。まあ、各国選手の入場の時は、ちょっと飽きて、流し見だったけど。
  いやあ、すごかった!!チャン・イーモー・プロデュースの活劇舞台!まさに、All That's 北京!鳥の巣城大絵巻って感じ。チャン監督の映画『テラコッタ・ウォリア−ズ』と『HERO』と『LOVERS』『王妃の紋章』をいっしょくた団子にして一気にぶちまかれたような(笑)壮大な舞台芸術でございましたね。まあ、全体的には想像通りで既視観があるとは言うものの、いやはや、見ごたえはありましたね。しかも、テーマが中国人が世界に誇る四大発明;「紙」「活版印刷」「羅針盤」そして「火薬」。ほう〜、そうきたか!、でしたね。「紙」は会場いっぱいに巻物が上や下にしかけられ、おびただしい数の電飾人間で「活版印刷」の活版を表現し、「羅針盤」にいたっては大きな地球に模した気球を会場に浮かせ、その周りをまるで鳥人のような人間が自在に飛び回る。まだ10歳くらいの女の子が空中を飛びまわったり、もう、香港映画真っ青なワイヤーアクション満載。その極みは、聖火点灯時。体操王子が鳥の巣城の空中を駆け巡り、点灯したときが圧巻。そして、最後の大発明、「火薬」は舞台パフォーマンスでこそ表現しなかったものの、北京市内中の夜空に轟く花火、花火、花火!さすが爆竹文化!ここぞとばかりに打ちあがり、花火の洪水状態!ぐわーーっ、眼が、耳がぁ・・・、近くにいたら、すごい火薬の臭いでクラクラしそうな勢いでぶち上げられていました。そんなわけで、過去に例を見ない、華麗というより、壮大なスケールでなんとも珍妙な、とにかく中国人の人海戦術のスゴさと、手の込み方と凝り用は世界に比類なき人民性を見せ付けられた開会式でありました。
  私が20数年前中国に嵌ったきっかけは京劇でしたが、その後、張藝謀監督や陳凱歌監督によって、ますます中華文化に魅せられていったものですが、よもや、その張藝謀監督による演出のオリンピック開会式まで見ることになるとは・・・なんとも、色々な意味で感慨深いものがありますわ。まあ、ひとつ、演出上での残念なキャスティングは、大陸の国民的ポップス歌手;劉歓氏とともに歌った女性歌手がなぜかサラ・ブライトマンだったこと。ここはやっぱり、生粋の中国人女性歌手が登場してほしかったです。個人的希望は、いまだ産休中のフェイ・ウォンが、ここは一発登場して、バシ〜っとキメてほしかったなあ。
  ま、なにはともあれ、無事に開会式も行われ、何よりでした。