『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』

 かなりネタバレ。未見の方はご注意ください。 
 2はまちがいなく3の再来を期待させるラストだったが、今回はタイトルからして完結編かと思ったけど、まだまだ続きそうね、ジャック・スパロウの冒険。なにしろ、ジョニー・デップがますますノリノリで、楽しくてたまらなさそうだもの。体全体がスパロウになってた(笑)。キーラ・ナイトレイのエリザベス嬢もますます気高く冴え冴えと美しい。そして、オーランド・ブルーム演じるウィリアムも見事にかっこよく、ラストで舵を取るバンダナちょび髭の船長姿には、思わずクラ〜ッ。この二人、この映画の中で唯二つの美しい生き物だから、当然の結果として二人世界があるわけだけれども、それ以外の生き物は、まあ、戦うか、歌でも歌ってろって言うくらい汚くて下品な生きものばかり(笑)。見かけは綺麗な貴族たちは心が穢れているしね。それにしても、毎回、ザクザクぞわぞわと出てくる海の生き物がすごい。カリプソの魔法が解けてマダムの体が破裂してゾワゾワがなだれ出てきたときや、ジャックの船を動かしてくれたザワザワが動いてるとこなんかは、なんか背筋がモゾモゾした(笑)。でも、2で大暴れしたタコお化け(イカか?)ほどのスケールの大きい怪物度は今回はなかった。
 香港映画ファンなら触れておかねばならないチョウ・ユンファさまですが、すごいですね〜、全米動員人数ナンバー1映画にご出演ですからね。晴れがましいですね。たいしたものですね。で、役柄ですが、まあ、私が想像していたよりは結構たくさん出番があったようで。しかも、もっと入道っぽいへんな役かと思ってたので、変身したり、グリーンディスティニー張りに海上の波間跳んだり、マストや帆に駆け上がったりしなかっただけ、ましかも(失礼!)。でも、あの逝き方はあっけなさすぎ。もう少し戦わせてあげてよ〜(涙)。
 ユンファ、あのキャラのまま、弁慶やったらいいんじゃないかな。うん、かなり似合うよ。義経映画版。タッキーともきっと話も合うだろうし。にしても、發仔、顔丸かったなあ。王様のときから丸かった。髪の毛スキンヘッドだとみんなああなのか。ハリウッドに行ってから、あの美しい男たちシリーズの彼の姿は失われた感アリ。もう帰ってこないのかなあ?・・と、いうことで、まちがっても家輝さんはハリウッドの大作になど出演しなくていいですから。
 
 そういえば、『ハンニバル・ライジング』を先日見たのだが、この映画の中でのコン・リーさまの存在感はかなり圧巻だった。紫婦人という青年期のハンニバルの身辺で影響を与える日本女性(笑)を演じているのだが、確実に彼女のハリウッドでのキャリアがうかがわれた。物語自体は、『ハンニバル』シリーズの本格的愛好家にとったら、ちょっとナマッちょろくソフトかもしれないけれど、私は結構ドキドキしながら見ました。コン・リーさまのレディ・ムラサキは、どうみても、コン・リーさまで(笑)、余りひねりもないのだけど、まあ、それはそれ、お暇なら、一度ご賞味あれ。