「それでもボクはやってない」

fai22007-01-31

今日は久々に映画館へ。「それでもボクはやってない」を見た。
映画のしょっぱなからボクはどんどん窮地に追い込まれていき、私も自然と神経集中して真剣に見いってしまった。中盤からはもう自分も公判の傍聴席にいる気分というか、もっと当事者的な感覚になってしまって、公判のたびにものすごい緊張感で胸が苦しかったほど。最終判決の時には、固唾を呑んだ。今までの周防監督の作品とは当然違っていたが、これもまたすごい映画だった。たいへんな取材力、そして問題作。で、わかりやすい。厭きささない。
 映画の内容は、冤罪(痴漢行為)を扱った法廷ものだけど、本当に現実にこういうことが起こっているのだとしたら・・・と思うとちょっと怖くなった。私自身は昔から検事や裁判官に対して完全に正義的なイメージを持っていたので。本当に身に覚えのない案件で罪に問われ、警察や検察にねじこめられ、公判となったら裁判官にまで疑わしきは罰せられ・・・、相当の根性がない限り、簡単にそんなことになっちゃうのか・・・?この映画には、被告人のために奔走する友人や証言者、そして役所広司瀬戸朝香が演じる弁護人らなど、良心の人もたくさん登場しているのだが、それらを軽く圧殺してしまう法の権力というものに空恐ろしさを感じずにはいられなかった。
 君子李下に冠を直さず、とは心がけていても、この世は一寸先は闇、何かの間違いで穴に落ちたときのシュミレーションとしても、この映画は見ておく価値はあります。

映画「それでもボクはやってない」