『戦場でワルツを』

fai22010-01-18

2008年11月開催の第9回東京フィルメックス映画祭において『バシールとワルツを』というほぼ原題通りのタイトルで上映された作品がついに一般公開になった。福岡でも1月9日からKBCシネマで上映されている。

この作品はアリ・フォルマン監督自身が経験した戦争の記憶を辿るドキュメンタリー映画だが、映像のほとんどはアニメーションである。「サブラ・シャティーラ事件」と呼ばれるパレスチナ難民の大量虐殺を引き起こしたレバノン戦争。当時、監督は一兵卒として戦いの中にいたはずなのだが、彼にはその際の記憶が全くなかった。一体そこで自分に何が起こったのか。監督自らが知人友人たちを訪ねパズルのように記憶の断片を繋げていく。そして最終的に彼が辿り着いたものは・・・

ドキュメンタリーとアニメ−ションが見事にコラボされた素晴らしい作品だった。
アニメは私たちが見慣れたスタジオ・ジブリのようなカラーではなく、どちらかというと切り絵のような画なので人間の動きなどは少々単純に映る。しかし、背景の実写的モチーフや幻想的な色合い、そして音楽によって全体が大変スタイリッシュに完成されている。数々の映画祭で好評を博した佳作をやっとこの目で見て実感した。
私は戦争を実体験として知らない。でも、この映画に登場してくる普通の若者たちの戦場での経験をアリ監督に導かれて辿っていくうちに、彼らと同じように恐怖に脅え、胸が苦しくなる思いだった。戦争とは惨いものだ。決してあってはならない。

「サブラ・シャティーラ事件」の引き金となったのは1982年8月にレバノン大統領に選出されたバシール・ジュマイエルの暗殺である。原題のタイトルの『バシールとワルツを』のバシールとは彼をさす。作品中、彼のポスターが町中に貼られ民兵バシールを大スターのように崇拝している様子が大変印象に残った。

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