『キサラギ』

fai22007-07-03

 自殺したアイドル如月ミキの一周忌2月4日、一周忌オフ会に集う如月ミキファン掲示板メンバー、家元、オダ・ユウジ、スネーク、ヤスオ、苺娘の5人が織り成す室内ドラマ。
 ファンサイト管理人、家元(小栗旬)の呼びかけによって、ヤスオ(塚地武雄)、スネーク(小出恵介)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、苺娘(香川照之)と順番にミキのファンと称する男たちが集まり、ミキを悼んで一周忌オフ会が始まる。最初は、みな普通のファンのようにしていたが、在りし日のミキの思い出を語り合ううちに、徐々に集まったそれぞれの男たちとミキとの関わりが明かされ始める・・・・。

 内容はミーハーな取っ掛かりで、舞台は、オフ会の会場となるビルの一室のみ、全員ほぼ喪服姿、これは、やや単調かと思いきや、全くそうではなく、シナリオも良くできているし、出演者全員が芸達者ときてて、飽きる暇などなく、とても面白かった。物語の進行のテンポがよく、だんだん5人の素性・・というか、ミキとの関係が浮き彫りにされていくとともに、それぞれのキャラクターが登場時にまして色濃く描き出されていく。設定に無理があるようでいて、全く、さもありなん!とも思えるリアリティさえ感じる。今回、映画で成功しているが、この物語は演劇やラジオドラマでもかなり楽しめるかもしれない。結末、ミキの自殺に関する解明が真実かどうかはともかく、私個人としては、そのロマン度に拍手。一つだけ難をいえば、大ラストの室内プラネタリウムの星空に煌めく5人の回想シーンはやや蛇足の感アリ。ですが、映画は大変楽しめますし、愛する明星にファンレターを送り続けるファンにとってはまさしく福音のようなラストであり、心洗われました。お仲間の皆さまは、ぜひご一覧ください!見て決して損はないですよ!


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